魚屋の「恵方巻」

自己中心的で自由な一言

「恵方巻」という習慣を知ったのは20歳代にコンビニエンスストアで働いていた時のことだ。

斜に構える20歳代でもあった私はバレンタインのように「販売戦略」かと思ってそんなことは気にせず生きてきている。

だがどうだろう。

中高年の今の私は「みなこんな時代だからこそ福を得たいのだな」と思いつつしっかりとスーパーの恵方巻コーナーに集う人たちにまぎれる。

一通り眺めた後に思う。

私も立派にその戦略にハマるお年頃になっていた。

「歳を取る」ということは良くも悪くも「私」に柔軟な考え方を与えてくれる。

若いころのように気力も生気も充実しているわけではなく「何かを埋めよう」と必死になって生きている今の私には「必須項目」みたいなものだ。

なら確実に美味しいものをと鮮魚スーパーに寄って行く。

年齢も年齢なのでハーフにしようと思ったが「大は小を兼ねる」など頭によぎり立派な一本を購入。

子供のようにワクワクしながら帰路に就く。「恵方巻」を買うのは今回が初めてのような気がする。

温かいお茶を用意しゆっくりと食べ進める。

なんのことはない。

美味しい「魚屋の恵方巻」なのだからしっかり丸々一本食べれた。

来年もまた美味しい「恵方巻」が食べれるように生きていこうと感じる。

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