「いつまでもそんな仕事は出来ない」
実妹に言われた言葉だ。
ダブルワークは当然で借金まみれの20歳代。コンビニに居酒屋定食屋、あの頃はまだ飲食関係が時給が良かったから借金を返すために働いた。
夢も諦め働いた。
ただ「死ぬこと」が出来なかっただけで働いただけだ。
そんなことを言われたとき、すべてを否定されたような気がした。
もちろん転職して良い仕事に就け。歳を取ったら身体を使う仕事なんてできなくなるから今からデスクワーク仕事に就けという実妹の言葉の意味を知ったのはずっと後のこと。
私の身のことを考えての言葉だったのは今ではわかる。
当時、実妹は女性が少ない職業の相当な高給取りになってはいたので「身内びいき」で引き抜きたかったのは知っている。
その後も様々な問題があったが実妹は諦めず私を軌道修正してくれた。

いまなぜそんなことを思い出すのだろうと記憶を探る。
実妹とケンカして2年になる。
実父のことで兄弟姉妹でもめにもめたのがきっかけで連絡を取ってはいない。
振り返れ反省しろというのか感謝しろというのか、虫の知らせか。
今「あの言葉」を思い出したのはなんの意味があるのか。
そんなことを想いながら過ごす今日は複雑というより言い表せないが奇妙な感覚だ。
今私は結局デスクワークなどではなく現場人間に戻り歳を感じながら働いている。
足首を痛め、膝を痛め、腰を痛め、手首と指の関節を痛めて働いている。
歳を取ったなりの痛みと生きている感覚は「あの頃」の私より充実していると思えるのはなぜなのか。
わからないものだな。
答えを手っ取り早く見つけるより私はこの痛みと共に年を越えていく感覚がとても好きだ。
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