私は単純だ。
たまたま見た「今日の星占い」で良い結果が出るとさっさと起き上がり鼻歌を歌って部屋の掃除をする。
うん、私は生きている。
東京に住んでいたころより部屋は狭く、スーパーも病院も歩いて２０分ぐらいの交通に不便で土地だというのに、今のほうが充実している。
車も持っているわけではないし何なら坂道が多いから自転車も購入しても無駄になる土地で暮らしている「今」が充実している。
駅まではさすがにバスを使うが満足だ。
ただそれは今まだ「それなりに」健康で歩けるからなんだとわかっているなかでの暮らしだ。
それでも明日はどうなるかわからない。
「今を生きる」なんて豪語はしているが心に留めておく。
いずれ足腰も弱り出かけるのも億劫になり風呂さえも体力を奪われるから入らなくなるかもしれない。
「日常の充実感」を感じながら「老いの現実」から目を離したくはない。
幸せも不安も私の中に同居していることが確認できる今だから形つくられる瞬間を大事にしたい。
私という形は毎日の些細な行動から作られている。
東京に住んでた頃のように「なあなあ」にせず「私」の行動を言葉にして確認し手に取る。
手間はかかるが心地よい。
それが最後まで続けていければ、それだけで万々歳だ。
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