実際はそうなる。
「実姉」は以前から注意喚起してきた「父には一切、関わるな」
私の家庭は「連れ子どうしの再婚」で「実姉」は「母」が同じなだけで「父」とは血が繋がっていない。
「実姉」は「父」が充分に自分勝手人間だと知っていたし身に感じていた。私もそのことは知っている。決め手は当時「豪農」だった母方親の正月の集まりで起こった。
「血のつながらない子供を育てているのだから金をよこせ」
「父」は母親の父親、つまりは私の祖父にそう言ってのけた。
祖父も豪農の家長制度で育ってきた人間なので正月一日から大混乱である。
子供たちは別室で遊んでそれを免れていたし、あとから聞いた話ではあるがあの「父」ならやりかねないと今でも思う。
その他にも様々な積み重ねがあることは知っている。そうでなければ「実姉」は毎日にように祖父宅に通ることはしなかっただろう。
そして私にはもう一人「姉」がいる。この「姉」は「兄」と同じ「父」の実の娘だが今回「父」の事では病気もあり兄の配慮で参加はしていない。
参加できない理由は深読みしすぎだが「父」に関わりたくないのも一つの要因だろう。
幼い時の私の記憶は確かなものとは言い難いが、関わりたくない理由は分かる。
兄は二度ぐらい、その姉は就職してから一切田舎の家には帰ってこなかった。
充分すぎる「答え」がある。
「実姉」は私が「父」を引き取って面倒を見ることを責めることはしなかったが、多くの叱咤激励を頂いた。
私のことを心配してくれている。それを裏切ってしまったことは確かだ。
馬鹿の癖に何やっているんだとは決して言わなかった。
「やってみたらいいよ」
おかげで活は入った。ありがとう、おねいちゃん。
言われた通り、包丁だけ近くに置かないようにするよ。
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